本日も本を借りに

 本日は外出の折に、図書館分館に立ち寄りまして、ここに架蔵されることになった
新着資料を借りにいきました。この本など、図書館本館におかれたほうが借りる人に
はよろしかろうと思うのですが、どういうわけかこの著者の別な本も、別の分館にお
かれていました。
 さて本日借りたのは、次のものです。

記憶の海辺 ― 一つの同時代史 ―

記憶の海辺 ― 一つの同時代史 ―

 12月の新刊で、池内さんによる回想録で、副題には「一つの同時代史」とあります。
ユリイカ」に連載していたものだそうですが、当方はこのところまったく「ユリイ
カ」を手にすることがなくなったことから、池内さんが連載をしているのはしりま
せんでした。
 池内さんのものは読みやすく、はずれなしでありますが、とにかく出版数が多いの
で、まずは図書館から借りて読む事になりです。
 どんなもんかいなとページをぱらぱらとめくっています。すぐに眼がとまったのは、
次のところ。
「TBSのラジオ部門にかかわり、映像・音楽プロデューサーとして知られる河内紀と対
談したことがある。同じ年生まれで、この人の『紀』はカナメと読んだ。
 河内紀
 池内紀
 雑誌にはソックリさんのような二つの氏名が並んでいた。二人してラジオで聞いた
印象深い番組をあげていった。ともに歴史にのこるような名番組よりも、日常的な、
何でもない番組のことをよく覚えていた。」
 その昔、いまほど河内さんが有名でない時代には、河内さんと池内さんを混同され
る方がいまして、それを文章にし、発表されたりしていました。まあそんな時代も
あったのでありますね。
 その文章は山口昌男さんの「知の遠近法」(78年刊)に収録のものですが、これが
雑誌に連載されていた時に、池内さんはちょっとかわったドイツ文学の翻訳者であり
まして、まだ著書は何冊もない時でしたから、しょうがないか。
(「知の遠近法」のその後文庫本などで、これが修正されたかどうかは未確認であり
ます。)