とうようさんの本

 田中勝則さんの本、なんとか最後までたどりつきました。
 そうすると、田中さんが引用していたとうようさんの文章を、あたってみたくなり
ました。昨日に写真を掲げた本を、昨日にひっぱり出してきて、手近においてあるの
ですが、ずいぶん昔に買った値段の高い本もあるのですが、本当にながいこと未読が
続いておりました。
 中村とうようさんの本を買うけど、読まないということになっていたのは、一つに
は、そのころ子どもと遊ぶのに忙しかったということがあり、あとは少ない小遣いで
は、レコードなどを購入することができず(もっぱら本の購入費にあてていました)
で、とうようさんが紹介したりしても、まったくその音楽に触れることができないと
いう事情がありました。
 田中勝則さんがとうようさんの本で、大変重要な二冊の本といっているのが、「大
衆音楽の真実」と「俗楽礼讃」でありまして、本日はそのなかから「俗楽礼讃」の
いくつかの章(というか、取り上げている人物についてのくだり)を読む事になりま
した。
 田中勝則さんの本から、ちょっと引用です。
「ぼくはとうようさんが描く『大衆音楽の真実』のようjな歴史物も好きだが、でも
やっぱり本領を発揮したのは、レコード評やレコード解説で具体的に音楽そのものを
語っているときだと思う。ただ、これは仕方のないことだが、どんなレコード評でも
レコード解説でも、必ず枚数の制限がある。・・・そういう意味で、すべての歌手た
ちについて長文で論じ切った『俗楽礼讃』は、評論家にとってまさに理想の音楽評論
ということになる。」
 ということになりますが、この本にはとうようさんが選んだ三十人(組)の歌い手
が取り上げられていますが、特に力がはいっているのは、とうようさん偏愛のお二人
となります。
 再び、田中さんの本から引用。
「パティ・ペイジのすばらしさ、その魅力の根源をアジアで受け継いだといえば、間
違いなくテレサだが、そういう意味でこの本はパティとテレサという二人の歌姫の魅力
を中心に書かれた本と言ってもいいのかもしれない。」
 パティ・ペイジとテレサ・テンですから、どちらも名前は知っていますが、その代
表的な歌唱は耳にしたことがありますが、もちろんこれだけでは、とうようさんが、
どうして、こんなにパティ・ペイジのことを持ち上げるのは理解ができません。
「俗楽礼讃」には、曲の紹介とあわせてSPレコードのレーベルが写真で紹介されるの
ですが、ここからは残念ながら歌は聞こえてきません。
 この本がでてから二十数年たって、ありがたきはYouTubeでありまして、とうようさ
んがパティの最高傑作ではないかという「I Went to Your Wedding」も容易に耳にす
ることができてしまいます。

「I Went to Your Wedding」を聞きながら、とうようさんのこの歌についての評を
読んでみることします。