つっこみどこ満載

 本日に「みすず」と新潮「波」10月号が一緒に届きました。「みすず」はいつも

より早く、「波」はちょっと遅いかもしれません。「波」が遅いからといって、こ

れは何かがあったわけではなく、なにもないのですから、つっこみどこいっぱいと

なっていました。(この「波」編集日程がどのようになっているのかは、わかりま

せんが、広告のところには森下典子さんの「日々是好日」が映画化となって、そこ

に出演されている樹木希林さんは公開をひと月後に控えた9月15日に息を引き取ら

れとありましたので、この日より前ではありませんね。)

 例月「波」には、新潮社からでている雑誌六誌の編集長が、最新号の紹介をする

欄があります。もちろん、ここには「新潮45」の編集長さんによる10月号の売り

文句がありです。これの見出しは「LGBTを利用する野党」であります。

 この紹介文は、編集長の持論を展開したものでありまして、もちろん今となって

も、ここに書いたことを間違ったこととは思っていないのでありましょう。

「杉田論文がいかに誤読され、どのように騒動が作られていったかは、この特別

企画の七本の論考でよくわかる。」とありました。

 当方は、この手の論文(?)・論考を読むのは苦痛でありまして、読まずに批判

するのもいかがなものかですから、昔であれば相手にされなかったような論客たち

が、最近はずいぶんと大手をふって跋扈しているなと感想をもらすのみです。

 この六誌紹介ページは、毎月のものですから、またいいっているわですが、10月

号は、ごていねいに「新潮社社員が選ぶ『新潮文庫 わたしの五冊』」という特集

がありまして、受付さんから広告担当、装幀部、編集者、校閲者、そして社長まで

五冊の文庫本をあげています。

 今回のことで話題となった社長(サラリーマン社長でなく、創業家の人ですね)

と編集長がともに五冊をあげているのですが、せっかくでありますので、このお二

人があげているものを紹介です。

 まずは社長さんですが、こちらは「心が整う五冊」というくくりであるとのこと

です。 

シズコさん (新潮文庫)

シズコさん (新潮文庫)

 

 

無能の人・日の戯れ (新潮文庫)

無能の人・日の戯れ (新潮文庫)

 

 

家守綺譚 (新潮文庫)

家守綺譚 (新潮文庫)

 

 

雪沼とその周辺 (新潮文庫)

雪沼とその周辺 (新潮文庫)

 

 

つゆのひぬま (新潮文庫)

つゆのひぬま (新潮文庫)

 

  ずいぶんとまともな五冊でありまして、幅広いジャンルからでちょっと面白みに

かけるかなです。当方の好きな本もはいっていますので、当方の知人の誰かに読書

傾向は似ているかもね。

 一方の編集長であります。こちらのくくりは「ヤバすぎる『人間』たちの五冊」

であります。 

死刑のための殺人: 土浦連続通り魔事件・死刑囚の記録 (新潮文庫)

死刑のための殺人: 土浦連続通り魔事件・死刑囚の記録 (新潮文庫)

 

 

黒い看護婦―福岡四人組保険金連続殺人 (新潮文庫)

黒い看護婦―福岡四人組保険金連続殺人 (新潮文庫)

 

  

殺人犯はそこにいる (新潮文庫)

殺人犯はそこにいる (新潮文庫)

 

  

凶悪―ある死刑囚の告発 (新潮文庫)

凶悪―ある死刑囚の告発 (新潮文庫)

 

  

その時、殺しの手が動く―引き寄せた災、必然の9事件 (新潮文庫)

その時、殺しの手が動く―引き寄せた災、必然の9事件 (新潮文庫)

 

  これはこれで首尾一貫した選書であります。「極悪非道、犯罪と犯罪の間で暮らし

ているような犯人」という言葉が、この五冊に寄せた編集長の文にありました。

 きれいごとばかりではなく、こういうのも現実だといいたいのでありましょうね。

当方はできれば、こういう本は読まずに終わりたいと思います。

 この五冊を選ぶなかには、「新潮45」の編集長でありました中瀬ゆかりさんの

ものもあるのですが、中瀬さんの五冊は、現編集長よりもバランスが良いように

思いました。中瀬さんの編集長時代のスタンスもそうであったのでしょう。