この名前にぴんときたら

 本日に朝日新聞出版から「一冊の本」10月号が届きました。

 まずは巻末の新刊案内をチェックです。今月、目をひいたのは、次の本。 

新宿 「性なる街」の歴史地理 (朝日選書)

新宿 「性なる街」の歴史地理 (朝日選書)

 

  この本の紹介としては、このようにありました。

「新宿が御苑周辺から西に拡大しながら、さまざまな性が共存する盛り場になって

いく過程を、地図や交通網、地形、古老の証言によって解説する。古地図・古写真

多数掲載」

 「古老の証言」「古地図」「古写真」とあって、これは興味津々でありますね。

そもそも「さまざまな性」とは、どういうことかなと思っていましたら、引用した

文章の前のところに「ヘテロ、ゲイ、レスビアン、トランスジェンダーが共存する

街」とありました。このようにカタカナが4つ並びますと、いまさらのように生産

性のない街であるなと思ったりです。ヘテロとありますから、そんなことはないの

か。

 まあ、それはさておきです。

 LGBTの世界に詳しい人でありましたら、著者の名前を目にしただけでピンと

くるのでしょうね。当方は、この本の紹介で、はじめて認識しました。

 この号には、三橋順子さんが自著について書いた文章が掲載されているのです

が、それの書き出しは、このようになっていました。

「このたび、朝日選書で『新宿 性なる街の歴史地理』を出していただくことに

なりました、三橋順子です。」

 これを見た時に、あれ、この書き出しなんとなく不自然でないかいと思いまし

た。それで三橋順子さんで検索してみて、なるほどなと思ったわけです。この

スタンスでありましたら、このような書き出しとなりますね。

 この本は、ずいぶんと時間と思いが詰まった本であるようです。

「地図好きの子どもの時から数えると58年、地図がたくさん載った本を出せて、

とてもうれしいです。図版をたくさん載せすぎて製作費がかさみ、印税を削られ

ましたが、仕方がありません。その分、本を担いで行商でもしましょう。」

 上の引用では、ほんのすこし書き換えをしていますが、それは三橋さんのことを

検索しましたら、すぐにわかることに関してのことです。

 「歴史地理」ということですから、地図がたくさんあったほうが理解を助けて

くれてありがたしです。写真と地図がたくさんはいった歴史の本となると、それ

だけで手が伸びそうであります。

 三橋さんの文章の最後のくだりには、「朝日選書としてかなり変な本ですが、

物好きな、もとい好奇心旺盛な読者の皆さんには、それなりに楽しんでいただけ

ると思います。」とあります。

 当方は好奇心旺盛というよりも、物好きなほうでありまして、三橋さんの

ユーモラスな語り口調とあわせて、これは本をのぞいてみなくてはです。