トイレで読む本

 「本の雑誌」12月号の「図書カード三万円使い放題!」に酒井順子さんが登場です。
「三万円分の図書カードを渡されて、何を買ってもいいですよ」といわれましたら、
さて、その時に、何を買うでありましょうね。以前からほしいと思っていたが、高く
て手が出なかったものか、それともそこそこの値段のものを冊数多くでありましょう
か。酒井順子さんは、全部で14冊の本を買って、そのリストが掲載されているのです
が、最も高いのは7344円とありました。うーむうらやましいな。
 酒井順子さんのレポートを読んで、眼にとまったのは、次のくだりです。
「随筆を職業とする私は、『随筆』とタイトルにつく本をみるとつい買いたくなる癖
を持っており、まずは岩波文庫の『日本近代随筆選』1〜3を入手。目次には、よく
知る人の名も。これはトイレに置いて、少しずつ読むのに向いているかも。」
 トイレに座って本を読むというのはありですよね。酒井さんはトイレに本を置いて
いるということがわかりました。トイレに本を置くための棚を設置しているところが
ありますが、そういうお宅には、本好きでしかもトイレに滞在時間の長い方がおられ
るようです。あとがつかえてしまうのだから、トイレで本を読むのはやめてよといわ
れますでしょうから、家族と一緒の暮らしでは難しいかもです。
 当方のところは、トイレに本を常備してはおりませんので、その都度で持参となり
ますが、このところ携行本となっていたのは、次のものでありました。

日本百名山 (新潮文庫)

日本百名山 (新潮文庫)

 NHKTVで、グレートトラバース「百名山」一筆書き踏破の番組をながらく放映して
いたこともあり、放送の途中から、この文庫本を手に取るようになっていました。
(今は、別の「百名山」番組も放送されています。)
深田久弥さんの「百名山」は、一つの山にさかれるのは4ページで、そこに地図と写
真がはいるのですから、文字数は少なしです。
 たいていの場合は数分で読むことができてしまいそうで、切れがよろしいからして、
トイレで読むには、たいへん向いているといえるでしょう。
 そういえば、「百名山」一筆書き踏破」の番組には、応援団として田部井淳子さん
がでていらっしゃいました。百名山に続いて、二百名山の時にも、この踏破に挑んで
いる田中さんに、田部井さんはエールを送っていました。田部井さんは病に冒されて
も、それに負けずに登山を続けておられ、同じく病気にあった方々に元気を与えて
いましたが、残念ながら、先月にお亡くなりになりました。
ご冥福を祈ります。