行きつけの本屋で

 行きつけの本屋といっても、昔にそうであったように親しい書店員さんがいたり、
当方の好みを知っていて、あの本を入れておきましたので、手にとってご覧下さいな
どというやりとりがあるわけではありません。
 なんとなく、この小さな本屋への取り次ぎの配本傾向に、当方の好みが吸い上げら
れているように思えて、部数のあまり多くない本が入荷したりします。もちろん、
それは考えすぎでありまして、単に偶然それが配本されただけなのかもしれません。
 本日に外出した折に、この書店に立ち寄りまして、新刊コーナーを見回りしました
ら、先月末に刊行となってものがはいっていました。これはうれしいこと。

枕詞はサッちゃん: 照れやな詩人、父・阪田寛夫の人生

枕詞はサッちゃん: 照れやな詩人、父・阪田寛夫の人生

 この本を行きつけで買えたのはよかったことであります。ここの取り次ぎの配本
システムには、今回の実績はどのように記憶されるようになるのでありましょう。
 まずは、この本を駆け足で読んでみることにいたします。
 本日は、これを確保できて気分を良くしましたので、買うかどうかと迷っていた
次のものを勢いで購入です。 いとうせいこうさんによる、後藤明生さんへのオマージュ小説となりです。このと
ころの後藤明生人気(?)を支えているお一人がいとうせいこうさんでありまして、
最近完結した後藤明生コレクションの編集委員でもありました。
表題作「鼻に挟み撃ち」は、発表当時に話題となったものですが、当方はいとうせい
こうの小説なんて読めるかというような感じで、手にもしておりませんでした。この
本の帯には150回芥川賞候補作とありますし、巻末の解説は沼野充義さんですから、
それなりの評価なのでしょう。「鼻に挟み撃ち」は文庫本で百ページ足らずですから、
そんなに苦労せずに読む事ができるでしょう。
(年内に「後藤明生コレクション」のどれか一冊を買わなくては。)
 文庫新刊のところを見ていましたら、河出文庫に「ウホッホ探検隊」がありました。
本日の新聞1面下さんやつに河出文庫の広告があって、そこにこれがのっていたのです
が、今どきどうして「ウホッホ探検隊」なのでありましょう。それも河出文庫から。
 本日に文庫を手にしましたら、不思議なカバーがかかっていまして、そこには広告
にあったのと同じ文字がありです。
 「このタイトルから、絶対に予想できない感動が待っている」
 検索をかけましたら、どうしてこのような売り文句で、この時期文庫新刊として
でたのかはわかるのでしょうが、どちらにしても干刈あがたさんの小説が読まれるよう
になるのは、いいことであります。