波とみすず

 昨日に引き続いてですが、本日は「みすず」から。
 まずは表紙裏の小沢信男さんの「賛々語々」でありますが、今月は菊人形がテーマ
となります。
「昭和の戦前、両国国技館の菊人形展へ、父に連れられ家族ぐるみで出かけました。
菊人形たちの、さまざまな舞台がならぶ、大掛かりな華やかさに度肝を抜かれた。
そんな記憶がおぼろにあるのみですが、小学生にもわかる場面もあたのだろう。」
 小沢さんが小学校のころの話ですから、80年ほども昔のことになりますが、最近の
菊人形展はどうなっているのかということで、次の本が紹介されていました。

わたしは菊人形バンザイ研究者

わたしは菊人形バンザイ研究者

 この本が刊行されたのは2012年ですが、それ以降において、ますます菊人形は作ら
れなくなっているようであります。
 小沢さんは、この本からの受け売りということで、次のように書いているのであり
ますが。
「関西方面が、なお健在らしい。私鉄沿線の客寄せに大正年間より、ひらかたパーク
など諸処に展開して、こんにちに至る様子です。」
 当方の頭のなかにも「ひらかたパーク」というと菊という刷り込みがあったのです
が、菊人形展はとうに終わっていて、パークに展示される人形も少なくなっていると
ありました。このままでいきますと、そのうち姿を消すおそれがあるのでしょう。
(「ひらかたパーク」自体が存亡が危ぶまれていたりしますのでね。)
 それにしても、園芸における菊花というのは、えらい手のかかるものでありまして、
当方の母も大輪の菊に取り組んでいましたが、あんなに苦労して、花を楽しむのは、
わずかな時期だけというのは、なんと労多くしてなのかと思いました。
わが家で現在やっているのはバラでありまして、これは菊づくりと比べますと、手が
抜けて、しかも年に何度か花を楽しめるということから、横着者にはぴったりです。
 菊花の手の掛かり方というのは、農作物を育てるのと同じでありまして、農業人口
の減少と、菊花をやろうという人の減少は比例していそうでありますね。