新聞見たよと連絡あり

 朝に起きてふとんのなかでメールを確認しましたら、早々に新聞見たよと

いう内容のものでありました。この新聞見たよというメールは、そのあとに

も何本かいただくことになりです。

 ありがたきかなでありますが、新聞で話題となっていますのは、もちろん

当方ではありませんで、当方が私淑しております小沢信男さんであります。

本日の朝日新聞読書欄に「追悼・小沢信男さん」ということで津野海太郎

さんが書いてくださりました。

 これはうれしいことで、この津野さんの文章は、ぜひとも皆さんに見て

いただきたいものです。

 ちなみにこの追悼文で津野さんがあげている小沢さんの代表的な作品は、

次の三冊でありました。(Amazonリンクをはろうとしましたら、うまく

いかずです。)

 「裸の大将一代記」 筑摩書房

 「東京骨灰紀行」  ちくま文庫

 「俳句世がたり」  岩波新書 

 津野さんがあげた三冊は、小沢さんの70代、80代、90代を代表するもの

でありまして、小沢さんが70代になってから目覚ましい活躍をされたという

ことが、この三冊からも知ることができます。

 マイナー好きな当方としては、そんな70代に入ってから力の入った書き

下ろしなどに挑戦しなくてもいいのにと思ったりですが、この仕事に関しては

筑摩書房の編集者松田哲夫さんと長島美穂子さん(いまは玉川奈々福さん)の

おかげであります。 

 「俳句世がたり」が岩波新書にはいったのは、津野海太郎さんの後押しが

あったからと聞きました。(残りの連載分については、どうなるのでありま

しょう。)

この津野さんの追悼文を見ますと、津野さんが人生の先輩を失った悲しさが伝

わってくることであります。90代の小沢さんが「みすず」に連載を持って文筆

活動を続けていらしたのは、津野さんの世代にも励ましとなっていたのであり

ますね。

 ということで、本日の朝日新聞読書欄の「追悼・小沢信男さん」を話題に

するのですが、ここで使われている写真には02年撮影とありました。

 そうか、あの記事は2002年に掲載のものであったかと、古い小沢さんが

取り上げられた記事をひっぱりだしてくることになりです。

 新聞をみましたら、掲載日は2002年3月3日(小沢さん命日となる3月3日)

となっていました。

 この時の読書欄には「本屋さんに行こう」という連載がありまして、それに

登場したものです。担当の記者は佐久間文子さん(もちろん文ちゃんと呼ばれ

ている女性)でした。

 でかけた本屋さんは当時できたばかりのアトレ上野に入っている明正堂書店

でありました。ここでのお買い上げは5冊で、11960円とありますが、当方がよ

ろこんだのは、次のくだりで買った本が紹介されているところです。

「つぎに、評論家斎藤美奈子さんの新刊『文章読本さん江」を探す。

『古いつきあいの読者のひとが、こないだ斎藤さんの『読者は踊る』をいま

読んでいるってメールで知らせてくれて。それで読んだら面白くってね。』」

 なんのことはなしで、「古いつきあいの読者のひと」というのは、当方の

ことでありまして、ほんと「読者としてのつきあい」だけは長いのでありま

した。

通り過ぎた人々

通り過ぎた人々

  • 作者:小沢 信男
  • 発売日: 2007/04/10
  • メディア: 単行本