図書館から借りた本

 図書館から借りた残り二冊であります。
 これが図書館にはいっているとは思わなかったことで、ありがたく借りました。
先月に大きな本屋へといった時に、これが入荷していまして、手にとることができま
した。そのうちどこかで買いましょうかと思っていましたが、まずは借りて読むこと
ができてラッキーです。(結局は、ほとんど読むことができずに返却となる可能性あ
りですが。)

アミダクジ式ゴトウメイセイ【対談篇】

アミダクジ式ゴトウメイセイ【対談篇】

アミダクジ式ゴトウメイセイ【座談篇】

アミダクジ式ゴトウメイセイ【座談篇】

 ここのところ後藤明生さんに関しては作品集がでるなど、改めて脚光を浴びている
と思いたいことです。本当はそれほどでもないのかもしれませんが、不思議な面白さ
があります。
 主要な作品は「アーリーバード・ブックス」から電子書籍で復刊していますが、元
版の印刷本が、いまだ悲惨な値崩れを起こさずにいるのは、それだけ読者がいるという
ことでしょうか。
 当方は、あまり身近に後藤作品の読者がいないものですから、今回の「アミダクジ式」
の二冊が、どうして図書館にはいったのかと不思議に思います。
それだけに、これはまず当方が借りなくてはどうするのと思いました。
 対談篇と座談篇ですが、どう違うのかなと思ったら、あたりまえのこと、対談は後藤
さんともう一方による会話で、座談は三人以上での話合いでありますね。
 まずは対談を手にとって、中をチェックです。対談の相手に興味があるか、それとも
取り上げられている話題はどうであるかです。
このように見て、まずはこれから読もうと思ったのは、「しんとく問答」を話題として
いる菅野昭正さんとの対談です。
 やはり当方は、この作品が好きなのでありますね。この対談で、後藤さんは次のよう
にいっています。
「僕はトポスというか、場所というものにはこだわるんですけれども、そのこだわり方
は、自分が選択するこだわりじゃなくて偶然性によって、その場所にたまたま自分が住
むことになる。そういう偶然性から場所というものを考えていくのが、僕の小説の基本
じゃないかと思うんですね。」
 と語ったあとに、大阪での自分のアパート近くにある難波宮跡公園のこととか、俊徳
丸ゆかりの四天王寺などのことがあがってきます。
 そういえば、当方もまったくの偶然から、このあたりがなじみの土地となりました。
そのあたりに住む親戚の幼稚園児は、先日の七夕に四天王寺の境内で歌を歌うことに
なったといって、その様子を報告してくれました。どうやら最近の大阪市立の幼稚園は、
イベントの事に「大阪市歌」を歌うことになっているようで、こどもたちの歌声で、
はじめて「市歌」なるものを知りました。
 この「市歌」が歌われるようになったのは、最近のことのようですから、後藤明生さん
が耳にする機会はなかったかもしれません。