いらん心配を

 亡くなった作家さんの著作権継承者がどなたになるのかな、なんて気になることで
あります。そんなこと気にしてどうするかでありますが。
 単身でお暮らしの作家さんの場合、没後にでた著作奥付にある著作権者の名前が
どう記載されるのかですが、たとえば野呂邦暢さんの場合であります。
 野呂さんが亡くなってからでたものには、ずっと野呂さんのご母堂のお名前が記載
されていました。ご母堂がお亡くなりになってからは、野呂さんのご兄弟が継承して
いらしたようで、ご兄弟のお名前が記載されていました。
 最近に完結した野呂さんの小説集成(文遊社)は、著作権者のところが野呂邦暢
いう表記が復活しています。これは野呂邦暢という名のNPO法人が管理するようになっ
たことによるのでしょうか。
 先月に当方が長く親しんでいる作家さんの著作権継承者である方が亡くなりました。
作家の夫人はすでになく、その子どもさんは亡くなった継承者お一人でありましたの
で、これを引き継いでどなたが管理するのかが、気になるところであります。
どこかで管理を引き受けてくれるところ(たとえば、全集の編集を担当された編集者
さんのような)があればよろしいのですが、お孫さんなどに代替わりしていくので
ありましょうか。古くからのファンとしては、これはちょっと気になることです。
 そういえば、著名な作家さんの著作権者が代替わりしたとたんに、これまでとは
運用方法がかわって、えらく出版許可を得ることが難しくなったというような事例が
あるようです。これはわけありと思われますが、著作権者が裕福で、気に入らない
版元にきびしく対応したら、難しい話となるようです。
 日本のノーベル賞作家さんは、新潮社との関係が悪くなっているようですが、これ
は代替わりしましたら、改善されるのでしょうか。それとも、自分が亡くなったあと
も踏襲するようにと言い残すのかな。