「波」7月号から

 庭の見回りが忙しいというか、花に呼ばれているというかで、本を手にするのが二の
次となっています。あと10日くらいは、こんな日々が続くのでしょうか。
 こういうときには新聞の読書欄とか出版社のPR誌から話題をいただくのがよろしで
あります。本日は新潮社「波」からであります。
 「波」の編集兼発行者は楠瀬啓之さんとあります。たぶんこの方が書いている編集室
だよりは、先月も拙ブログで話題としましたが、なかなかよろしと思います。
今月号については、次のようなくだりです。
「実は雑誌で読む対談というのが個人的に好きで、『波』に一つも載っていないとさみ
しいくらいです。『純文学書き下ろし特別作品』挟み込みの対談は必ず本誌に掲載され
ていましたし(『みいら採り猟期譚』をめぐる河野多恵子さんと吉行淳之介さんのもの
など刺激的)、私が大学生だったころ掲載された荒木経惟さんと篠山紀信さんのケンカ
対談など忘れがたいし、近年では吉川潮さんがいろんな落語家を呼んで行った連続対談
も愉しかったです。自分が編集していない時の『波』でも、あまり褒めちゃいけないで
すね。」
 この7月号には、万城目学さんと京極夏彦さんの対談が載っているのですが、こちら
のお二人は当方にとって守備範囲外であります。
それよりも、上に引用した過去の「純文学書き下ろし特別作品」挟み込みの対談という
のに反応ですね。最近は純文学なんて言葉を眼にすることが少なくなったように思いま
すが、「純文学書き下ろし特別作品」というと、新潮社からでた函入りの本のことを
思いだしますね。当方が購入したものには、どんなものがあったろうか。一番最初に
思い浮かべたのは「同時代ゲーム」でありました。これは1979年刊行とありますので、
そろそろ40年が経過です。「同時代ゲーム」の挟み込み対談は、どなたがやっていまし
たでしょうね。
 「荒木経惟さんと篠山紀信さんのケンカ対談」は目にした記憶がありですが、どのよ
うなきっかけでこれは掲載されたものでしょう。編集者さんは、大学生だったころに
見たと記されていますが、ずいぶんと昔のように思いますが、何時頃のことかと検索を
かけてみましたら、91年2月号「波」とありました。そうか四半世紀もたっているのか。
荒木の「センチメンタルな旅」が新潮社からでるのを機に対談となったとのこと。
この「センチメンタルな旅」は、その時に購入したのでありました。
 その頃と比べると熱量が落ちているのではないかということを思ったりであります。
本の書き手、読み手、作り手の三者すべてにおいてでありますが、時代と加齢のせいに
はできないことです。