気分をかえて

 昨日はタイヤ交換でありましたが、本日は車のバッテリーを交換するために外出と
なりました。昨日にいった車屋さんでバッテリーが弱っていますので交換したほうが
よろしいといわれましたので、早速です。
 すぐに動いたのは、バッテリーを購入予定の店の近くにブックオフがあるからであ
りました。ここのところあれこれと驚くことがあったこともあり、すこし気分転換が
必要であり、そのときはワンコイン予算のブックオフ行きが一番であります。
もちろんほしいものがあれば、ツーコインでもよろしですが、そんなことはめったに
ないことで。
 こちらのブックオフには、月に一度くらいは来るようにしていますが、これまで一般
の棚にあったものが、200円と表示のところに場所をかえていましたので、それをあり
がたく購入です。
 この店には、「日本の名随筆」というシリーズのものがかなりたくさん並んでいる
のですが、どういうわけかそのなかの4冊が均一棚に移動していて、そのうちの2冊を
購入です。

日本の名随筆 (39) 藝

日本の名随筆 (39) 藝

日本の名随筆 (25) 音

日本の名随筆 (25) 音

 「藝」と「音」という表題での随筆アンソロジーですが、「音」のほうは文字通り
で音楽とか音にまつわるものですが、「藝」というのは「藝術」ではなく、「工藝」の
ほうの「藝」となります。
 収録されているのも柳宗悦河井寛次郎鏑木清方というような面々から宮尾登美子
大岡信までです。
 この「藝」の巻頭には、口絵として安東次男蔵の「伝尾形光琳 波千鳥(部分)」が
掲載されているのですが、この作品についての由来と偏愛についての安東次男の文章が
あって、まずはこれを読んでみました。
 旧制高校の同級生が経営する茶道具屋へといって尾形光琳作と伝えられる「浜千鳥」
という横50センチ、縦150センチもあろうかという大幅を見せられた安東は、この大き
な作品のうち下部に描かれている波の部分が道具屋主人が必要としているとわかると、
この作品を切って、上半分から浜千鳥のところだけで額装するのですが、その絵が
巻頭にあるものとなります。
「一枚の画を二つに切るなどとは、まったく言語同断なはなしだが、用のない大幅を
死蔵するよりはまだ許されるだろう。呆気ない数条の墨の線に、信じようと思えば信じ
られなくもない『方祝』印が捺してあるのを採るか、無印無落款であっても、まんざら
凡でない宗達光琳派の没骨たらしこみの変化の面白さを採るかは、人それぞれである。
 それにしてもこういうことは、切った画の活し方がそこに想い描けなければ出来るこ
とではなく、画や印の真贋がどちらにころんでもたいしたことがないからやれるという
わけでもあるまい。」
 こんなことは、とうてい素人にはできそうにありません。