本日は十五夜さんで、中秋の名月であります。当方の地域は、お天気が良くずっと
お月さんを見ることができています。
そういえば、本日の朝日新聞「天声人語」は、月が話題でありました。月旅行から、
宇宙開発での月資源のこととなって、それから中秋の名月へと話題は転じます。
「北海道で教鞭を執ったロシアの民俗学者ネフスキーは日本や中国の詩に、
月のモチーフが多いことに驚いたという。日本人にとっての月とは『世の中の歓楽
喜悦は永劫のものでなく、何時か最後が訪れる』ことを感じさせるものだと説いた
(『月と不死』)。 現実を超える魔力があるのだろう。」
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- 出版社/メーカー: 平凡社
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本日の「天声人語」は月の話題ですからして、ネフスキーがあって、加藤九祚さんへ
の言及がないのは残念ですが、最近の天声人語は、昔ほど文字数がないので、余分な
ことは盛り込むことができませんですね。
ネフスキーの名前がでたのはよろしですが、「北海道で教鞭をとった」とあるのは、
そのとおりですし、夫人は北海道の人ですから、そう書いてもらうと道産子は喜びま
すが、「月と不死」を執筆したのは、大阪外国語学校時代ですから、なんとなく大阪
に悪いような気がします。
ネフスキーの「月と不死」という論文は日本語で書かれたもので、ごくごく短い二つ
のものからできていますが、これがわかりやすい言葉でかかれているものの、なかなか
理解できないという難物であります。
平凡社東洋文庫「月と不死」は、その三分の一くらいは加藤九祚さんの手による解説
となっています。そして、それに加筆訂正を加えられて一冊となったのが「天の蛇」と
なるわけです。(この東洋文庫版「月と死」に引き寄せられることになったのは、
やはり山口昌男さんのおかげで、山口さんが石田英一郎さんの「桃太郎の母」を紹介し
ていて、この「桃太郎の母」の中に、ネフスキーが登場するのでした。)
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加筆され、決定版となっています。加藤さんが亡くなったと聞いて、あわてて、これ
まで購入することができずにいた完本「天の蛇」を注文したのでした。