最近買った本

 本当に新刊を買わなくなってしまっています。
これじゃいかんと思いながらも、懐の具合があまりよろしくないせいもあって、よほど
のものでなくては、買うことができなくなっています。
 大きな本屋さんにいったりした時に手にとり、しばし考えて購入しないものであって
も、市内にある本屋で思いがけずに見つけたりしますと、これは自分が買わないわけに
はいかんと、すこしの男気を発揮したりしてです。
 そんな感じで、市内にある本屋さんで見つけて購入したのは、次のものです。

戦争小説家 古山高麗雄伝

戦争小説家 古山高麗雄伝

 この本屋さんは、全国チェーンのもので、一時期はけっこう本をたくさん揃えていた
のですが、売れ行きが悪くなっていたのか、なんとなく棚が縮小して、元気がなくなっ
ていたので足が遠のいていました。
 何ヶ月ぶりかでいってみましたら、本の量はかわっていないものの、すこし良い方に
動いているように思えました。これはすこし応援しなくてはです。
 古山高麗雄さんについての本というのは、これまであったのでしょうか。
この本の著者である玉居子精宏さんという方は、1976年のお生まれということですから
古山さんにすれば孫の世代にあたります。玉居子さんは、もともと戦争へのアプローチ
から古山さんにたどりついたとあります。最初に古山さんの小説を読んだのは2004年と
いいますから、それからの取材で、この本が出来上がっています。
 この本のタイトルには「戦争小説家」とついているのですが、当方は戦争についての
くだりよりも、気になっている「安岡章太郎」さんとのところを、まずは読んでみるこ
とにしました。
 これに関しては、第4章「『悪い仲間』との訣別」ということで記されています。
安岡章太郎を激怒させたという川嶋至の評論(雑誌掲載時は「事実は復讐する」という
シリーズ)を掲載したのは、古山高麗雄が編集していた雑誌「季刊芸術」でした。
当然のことながら、これをきっかけとして、安岡と古山の関係は悪くなるのですが、
古山にとっては、こうした評論を自分が編集する雑誌に掲載することも、安岡に帯する
友情であったのかもしれませんが、もちろん安岡はそのようには受け取りませんでし
た。
 その昔に、この川嶋至の文章は目にした記憶はあるのですが、その時にはよく理解
できませんでした。またのぞいてみたいと思うのですが、そんなに値段は安くない
ので、まあそのうちにと思っています。