本日は午後から遠出をしておりました。行きは車に同乗させてもらったのですが、
帰りは列車を利用です。ちょうど時間があったので、来年には姿を消すことになって
いる急行「はまなす」を利用です。
長距離を走る急行列車はどんどん姿を消しているようですが、旅する情緒は、こう
した急行が一番です。寝台車にカーペット車まで結合していて終着の青森着は明朝の
6時すぎといっていました。
乗りすぎるのを心配しながら、車中では本を開いていました。アルコールは入って
いないのですが、本を開くと眠くなるのがいけません。読んで眠くならないものと
いうことで持参したのは、昨日に購入した野坂昭如さんの「死刑長寿」でした。
- 作者: 野坂昭如
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/12/06
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 2回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
時の作品。
「エレクションテスト」って何でありますか。小説がはじまってまもなく、次の
ようにありです。
「『軍隊』を持たず、もとより壮丁検査など、誰も教えず、死語でさえない。てんか
ら存在しなかったことになっていた平和国家に、突如一年の猶予期間を置き、M検が
復活した。
『ET法』である。日本国に男として生を享けた者は、すべて六十五歳に達した翌年、
四月上旬に、正しくはエレクションテストを受けなければならない。勃起能力を試さ
れるので、・・・眼目は硬軟、タタしめて持続十五秒なら合格。」
社会保障費が増大するのに有効な歯止めを策定するべく、時の首相はET法をぶち
あげて、高齢男性をターゲットにテストに合格しないと、社会保障の給付を停止す
るというお話であります。
65歳に達した翌年ということですから、当方もそろそろテストにむけた準備をはじ
めなくてはいけない年格好となっておりまして、なかなか身につまされる作品であり
ました。