今福将雄さん追悼 2

 当方が今福正雄(当時は本名ででていました。)さんを知るにいたった1962年の
ドラマ「不知道」(北海道放送制作 芸術祭参加作品)脚本 山川方夫 
演出 守分寿男 主演 渥美清 であります。
 演出された守分さんの本をみましたら、この作品への言及があるようですが、今は
確認ができておりません。
「不知道」という作品は、戦後13年もの間、北海道の穴に隠れ住んでいた「劉連仁」
さんをモデルとした作品となります。このモデルとなった方は、その後アニメなどに
もなって有名となったはずですが、このドラマが制作された62年といえば、劉さんが
保護されてから4年しかたっていないのでありました。
 このドラマの脚本は、山川方夫全集(当方は冬樹社版によります)に収録されてい
まして、以下はそれによります。(1962年当時の作品は、たぶんフィルムでとってい
たと思われますので、VTRとなってからよりも残っている可能性は高いと思われ
ますが、とにかくその当時は、各家庭で録画するなんてことはできなかったわけ
ですし、テレビ画面を残そうとすれば、画面をカメラで写真撮影するしかなかった
わけです。当方はその当時に放送された時点で、作品はみているのですが、まったく
おぼえておりませんです。)
 この作品は、収容所の便所の屋根を通じて逃げ出す中国人の姿を映し出し、それに
かぶさるように、ナレーションではじまります。  
「昭和十九年から昭和二十年五月にかけ、約三万人に及ぶ中国人の強制連行者が、
日本の北海道をはじめ、各地の主として炭坑に送り込まれた。彼らはきびしいノルマ
と制裁、そして空腹に耐えかね、つぎつぎと数名のグループをつくって逃亡した。
逃亡は、終戦の前夜までつづけられた。」 
 このように逃げ出して、運良く逃げ通すことができたのが劉さんなわけです。
 次のシーンでは、髯が生え、衣服はボロボロになった主人公がうつります。
 それから続いて開拓部落の俯瞰で、遠くに学校がうつります。
 この開拓部落は、当方が住んでいた札幌の開拓地がロケ地となったわけです。
 亡父の古いアルバムを見ていましたら、このときの写真が何枚もでてきました。
なかには、いろいろとお手伝いをしたために関係者からいただいたとおもわれる
写真もまじっておりました。

 すでに半世紀も前の写真となります。主人公に扮した渥美さんと、当時子役と
して有名であった平山清さん(? たしか有馬稲子さん主演の「かあちゃんしぐの
いやだ」にでていた方)と一緒のロケ中の写真です。