これから買う本 3

 当方は田舎でこども時代をすごしましたので、榎本健一さんの舞台はもちろん見た
ことがありません。当方と同年代でエノケンの生舞台を見た人なんて、いくらもいな
いのではないでしょうか。それでも、当時のTVで「雲の上団五郎一座」の舞台などを
やっていましたので、これで見た記憶はありです。1960年代にはいってからのことで
すから、すでにエノケンさんは体が不自由になって、動きにも制約がでていたように
思います。
 全盛期の動きの良かった時代の映画は、いまはビデオで販売されているようです。
山口昌男さんは、斎藤寅次郎監督による「エノケンの法界坊」のことを話題にして
いますが、この題名を聞きますと思いだす語呂合わせがありです。
 男の子がおもちゃを売っているお店にいって、あれにしようかこれにしようかと
迷って、あれこれ手にします。どうやらこの子は刀がほしいようだと察した店の
主が発したひとことです。
「どっちにするんだい、絵の剣のほうかい、坊」
 どなたかの小話のようでありますが、まったくわかっておりません。