本日は、今年二回目の飲み会となりで、朝野暮用に出かける時には、バスを
利用することになりです。前回にバスを利用したときには、雪が降っていたせいで
20分近くもバスが遅れたのですが、本日はほぼ定時運行でありました。
バスに乗り込んで無事に座ることができたので、持参の文庫本を開いて読む
ことになりました。30分近く乗っていますので、短い文章でありましたら、すこし
読むことができます。
本日のバスでは、これの中から「公会堂の芸人たち」と「鼓と扇子」を読むこと
ができました。
「公会堂の芸人たち」で取り上げられている人は、まったく知ることがなしであり
ました。そもそも田舎で暮らしていた当方は、人間ポンプといわれたような人ですら
しらないのですから、一座を組んで巡業していた奥田無鉄砲斎の芸などは、まるで
見る機会はありませんでしたし、噂を聞くこともなしでした。
「鼓と扇子」は砂川捨丸と中村春代という万才コンビを取り上げたものですが、
このコンビは、当方が学生のころはまだ現役で舞台にたっていました。残念ながら
舞台を見ることはできなかったのでありますが、すでに伝説の存在でありました。
今になって、舞台を見ておけばよかったなと思うのですが、多くの録音が残されて
いますので、いまでも動画サイトで二人のかけあいを聞くことができます。
(動いている動画は、どこかにあるのだろうか。)
「鼓と扇子」で池内さんは、自分が若い頃に書いた文章を再録しているのです
が、それから引用です。
「捨丸・春代は庶民のオペラである。ここにはむかしホラ貝を口に当て、デロレン、
デロレンと合の手に口三味線をつかっては、たかりをきめこむ見物衆からはした
銭をかすめとった祭文語りの伝統が生きている。」
捨丸さんは鼓を手に、語ったり、歌ったり、鼓で調子をとったりですが、このような
スタイルの万才の最後のコンビでありました。
劇場でやられているお二人の録音を聞いていましたら、客席がどかんどかんと
わくのですが、これが今の人にうけるのか、これを面白いと思ったら、古典芸能へ
の道は開けますね。