年末読書計画 4

 学校にいっていたころ、定期試験などが近づくと小説にはまってしまって、勉強が
おろそかになるということがありました。ふだんよりもこうした時のほうが本を楽し
く読めるというのが皮肉であります。
 お正月にむけて片付けをしなくてはいけなくて、この週末は、居間の床の上におか
れたままになっている本を整理することといわれているのですが、これがいまだに
できていません。(明日はやりますよといっているのですが、どこにもっていけば
いいのでしょうね。)
 それはさて、「年末読書計画」は着々と進行中でありまして、読むべき本は揃って
きたようです。あとは読み始めるだけですが、まずもっての一冊は、次のものとなり
ました。

この人を見よ

この人を見よ

「この人を見よ」と検索をしますと、ニーチェのものがあがってきますが、もちろん
関係はないと思われます。この小説の扉裏には「単身赴任者はこう語った」とありま
すので、ニーチェからの借り物のようです。
 今年は遅ればせで後藤明生さんの「吉野太夫」を読んだのでありますが、この作品
は、谷崎潤一郎の「吉野葛」へのオマージュ作品でありました。「この人を見よ」が
ニーチェへのということはないはずでして、冒頭のところで、いきなり谷崎の「鍵」
が話題となりです。
 そうか、「この人を見よ」の前に「鍵」を読んでおこうかです。本日は文庫本で
谷崎の「鍵」を手にしていました。この作品の半分は片かなで書かれていまして、
これは旧仮名文字よりも読むのに慣れていないことです。それにしても、谷崎潤一郎
という人はすごい人でありますね。
 そういえば、今月の中央公論には谷崎の未公開書簡が掲載だそうです。とんでもな
いスケールの人でありますね。