ひさしぶりの「みすず」 2

 昨日に「みすず」五月号の目次を書き写しましたが、かっての定番翻訳ものが姿を
消して、すべて日本語で書かれたものが並んでいます。
 「みすず」読書アンケート特集号は、すべて読書アンケートで埋められていますの
で、通常号にある連載は掲載されていませんから、年に一度「アンケート特集号」し
か見ていない当方は、通常でどのような連載があるか承知しておりませんでした。
 原武史さんが「日記」を掲載しているとはです。この日記にあったくだり。
「私も竹内(好のこと)をまねて同じ『みすず』に日記を連載していると申し上げる。」
竹内さんの日記というのを当方は読んだことがありませんでした。当方が原さんの日記
を読んで思い浮かべたのは「成城だより」でした。
 ひさしぶりの「みすず」で、これは「みすず」らしいと思ったのは、宮田昇さんの
「諏訪紀行」という連載であります。今回が4回めでありますが、過去はどのような
ことが記されていたのでしょう。今回のタイトルは「風樹文庫」となっていまして、
書き出しは、次のようになります。
「昭和十五年春、実業学校を卒業した小尾俊人の上京した目的の一つは、羽田書店に
入社することで叶えられた。」
 なんと、この宮田さんの文章は、みすず書房のバックボーンであった小尾俊人さんを
描くもののようであります。これは楽しみなことです。