最近入手した本 3

 ほとんど外国にはいったことがないのですが、当方の友人にはできるだけ日本人と
あう可能性のない、足の便の悪い外国を訪問するのを趣味としている人がいます。
彼の話では、どこにいってもほとんど日本人と遭遇するとのことでしたが、全世界の
津々浦々まで日本人は進出しているのでありますね。
 先日のTV番組では、一年に訪問する日本人数を総人口でわって、日本人が訪問する
比率をだしていましたが、国によってはほとんど行く可能性がないという結果となり
ます。
 旧ソビエト連邦から独立したウズベキスタンとかアゼルバイジャンは、そうした国
となりますが、最近では北朝鮮も最近は、相当に遠い国となっているようです。
すまけいさんの故郷である国後島は、もともと日本固有の領土が戦争で負けたことに
よって実質占領が続いているようなものですが、いまではビザなし交流といって、
島に渡ることも可能となっています。
 それでいきますと、かって日本が併合していて、日本の敗戦後に分裂国家となった
北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国)は、国交がないせいもありまして訪問自体が相当
に大変であります。特に、最近はなかなか面倒なことになっているようです。
 かって北朝鮮に住んでいた人たちは、かって住んでいたところを訪問することが
できないという状況になっています。
作家の古山高麗雄さんは名前からもわかりますが、現在の北朝鮮新義州生まれと
なります。その古山さんがなんとかかって住んでいたあたりを訪ねてみたいという話
が作品となっています。これは「蛍の宿」という作品集ですが、古山さんには、自ら
の従軍体験によっての作品とならんで、北朝鮮でのことに題材をとった作品がありで
す。これの最初のものを、やっとこさ入手です。

 同じく敗戦によってまったくかわってしまった旧満州国をふるさととする人々は、
現在であればあまり苦労することなく、ふるさとを訪問することができますが、
北朝鮮をふるさとにするひとたちは、ほとんど絶望的なくらいに訪問がかなわずに
います。