なにが「年の初めの」なのかであります。もちろん、これは「年の初めの購書」
または「年の初めのブックオフ」のつもりでありました。
「永遠の文庫<解説>傑作選」から、中井英夫さんの遺跡さがしであります。
本日に目についたのは、中井英夫さんが書いた文庫解説についてです。
この「傑作選」は、基本的には斎藤慎爾さんが選んだ文庫解説が掲載されているので
ありますが、ゲストの方が、「私が選ぶ文庫解説ベスト3」というコラムがあります。
ゲストの顔ぶれは、北村薫、青山南、陣野俊史、天沢退二郎、四方田犬彦、野崎歓、
そして岡崎武史という面々です。
中井英夫さんの解説は、旺文社文庫 「悪魔と美少年」 松永伍一にあるものです。
- 作者: 松永伍一
- 出版社/メーカー: 旺文社
- 発売日: 1977/12
- メディア: 文庫
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長谷川四郎さんの文庫本は旺文社文庫が最初でありましたし、山川方夫さんの文庫も
そうでありました。
中井英夫さんの解説についてゲスト選者のコメントです。
「『悪魔と美少年」は、夭折者の系譜を論じた書物に、短歌批評の立場から追補と注釈
を加えたものだが、解説者の切々たる思いが行間から滲みでている。
ところで、この本は絶版になって久しいのだが、どこかで復刊してほしい。ついでに
長沢延子の遺稿集『海』も、文庫で出していただきたい。この本を30年間読み続けてき
た四方田が、一生懸命解説役を務めさせていただきます。」
というわけで、これの選者は四方田犬彦さんでありました。四方田さんの願いもむな
しく、「悪魔と美少年」は復刊していないようでありますし、長沢延子さんの「海」も
文庫にはなっていないようであります。