年の初めの 5

 年の初めの新刊本屋での購入本は、岩波の三冊でありましたが、新刊本屋ではあります
が、いずれも10年ほど前の新刊でありました。
 本日の仕事帰りには、今年はじめての「ブックオフ」でありました。お目当ての本が
ないわけではないのですが、まあそういう本が見つかる可能性は、限りなくすくないの
でありますのからして、105円棚を中心にチェックすることにしました。
結局は、105円本を一冊と半額本一冊の二冊を入手です。
 まずは、本日購入の105円本から。

永遠の文庫「解説」傑作選 (リテレール別冊 (18))

永遠の文庫「解説」傑作選 (リテレール別冊 (18))

 メタローグの本であります。リテレール別冊18とありました。メタローグはいつころ
まで活動をしていたのでしょうね。「季刊リテレール」が刊行をストップしてからも、
別冊だけは刊行が続いていたように思います。当方は、年に一度刊行となる「今年の
収穫」を特集した別冊を楽しみにして購入しておりました。
 編集者の安原顕が離れたのは1994年暮れで、会社が破産手続きに入ったのは2005年
のことでありますから、考えようによっては、ずいぶんと会社はもったものでありま
す。
 この「永遠の文庫<解説>傑作選」という本がでているのは、全く知りませんでした。
これはその前に「永遠の文庫<解説>名作選」というのがでていて、それの第二弾で
あったというのも、もちろん初めて知りました。
 これの編者は深夜叢書社代表である斎藤愼爾さんであります。
 斎藤愼爾さんは、現在はフリーの編集者で批評家です。当方にとっては、一番最初に
「虚無への供物」という作品のことを教えてくれた恩人であります。齋藤さんが紹介され
たいまから40数年むかしの朝日新聞記事は、切り抜き保存と思っていたのですが、今の
ところまだ見つかっておりません。この朝日の人物紹介のところで、近々に「虚無への
供物」が刊行されるとの発言をしていて、これは入手して読まねばと思ったのでありま
す。
1969年のことで、そのとき刊行されたのは「中井英夫作品集」(三一書房)で、これの
実質編集者は、斎藤愼爾さんであったはずです。この作品集の初版には、編集者の名前
ははいっていないのですが、第二刷からは「斎藤愼爾」編集と加えられたように思いま
す。
(創元ライブラリー版「中井英夫全集 虚無への供物」の本多正一さんの解題には、
作品集のあとがきは、後に改稿されたと記されています。)
 斎藤愼爾さんといえば、当方の頭には中井英夫さんのことが思い浮かびます。
 この「永遠の文庫<解説>傑作選」には、中井英夫さんの文庫が二冊取り上げられてい
ます。