1972年12月のメモから 2

 72年12月というのは、当方にとってマルケス百年の孤独」を購入し、読んだ月であ
りました。「百年の孤独」の翻訳が新潮社からでたのは、72年1月とありました。篠田
一士さんがすすめていたので、これは買わなくてはと思っていたのですが、どこかで
古本を買いましょうと思っていたら、なかなか機会がなくて、購入が12月になったもの
です。
購入は72年12月17日とありました。なんという店であったのか「西洞院四条の古本屋」
とあるだけです。
 メモをみますと12月21日のところに次のようにあります。
「なぜかイライラして落ち着かず、コタツで横になっても良く眠られず、夜10時30分頃
眠るのをあきらめて『百年の孤独』を読み始める。圧倒的なおもしろさに本を置くこと
ができず朝5時に読了。ことし一番の読書だ。本当に良かった。ラブレー的世界が、
20世紀に変わり架空の国に、壮大な物語を展開する。昂奮してたいへんだ。」
 眠るのを忘れて小説を読むというのは、若い時ならではのことであります。この感想
のなかにラブレー的世界とあるのは、新潮社版「百年の孤独」の帯に「ラブレー的世界」
とあったからであります。