東映ゲリラ戦記 2

 70年代の東映といいますと、なんといっても高倉健とか藤純子のシリーズから
仁義なき戦い」につながるものなのでしょう。子どもの頃から親しんだ東映
時代劇映画が、下火になった時期でもあります。当方が一番映画を見たのは学生
時代の京都でありまして、なかなか封切館にいくことはできませんでしたので、
いわゆる二番館、三番館に足を運んでおりました。たしか、今も残っている祇園
会館と、四条大宮の映画館などでは、洋画を見たように思います。
かっての名画は、日仏会館とかブリティッシュカウンシルなどにもいったように
思いますが、これは字幕が英語だったり、吹き替えがなかったりで、ほとんど
おのぼりさん状態でありました。
 今から40年も前の手帳が残っていまして、それには日記かわりのメモがあるの
ですが、それを見ますと、足を運んだ映画のことなども書いてありました。
 72年手帳のスケジュールには、「名画発掘70」という自主映画上映サークルの
例会予定が書かれていました。
 72年11月20日(月) 17時半から勤労会館 「ファイブイージーピーセス」
 72年12月17日(日) 12時5分シルクホール 「ダーリング」
 後者にはコメントがついていました。
ジュリー・クリスティの『ダーリング』はよかった。色は白黒、ジュリーの
 ほかにはダーク・ボガードがうまい。見ている時はきずかなかったがさすが。
 西洞院の古本屋にいく。ガルシア・マルケスを買う。」
 ジュリー・クリスティの「ダーリング」とは渋いことです。名画発掘70という
上映サークルのおかげですね、裸の女性の出演しない地味な映画を見ることが
できたのは。
 ガルシア・マルケスというのは、もちろん「百年の孤独」新潮社でありまして、
最初のものは、この時に購入したのでありますね。西洞院の古本屋というのが、
まったく記憶に残っていないことです。京都のシルクホールというのは、今でも
あるはずですが、ビルの上のほうにあるホールで、ここでは笠井紀美子のライブ
を聞きました。この時のことは、手帳にメモしてあるでしょうか。