阪田寛夫全詩集を編む 7

阪田寛夫全詩集」から除かれることになったジャンルのもので、例外的に収録された
ものがあるとのことで、それは次のようにあります。
「但し、収録した『かぜとひかり』は固有名詞こそありませんが、群馬県の『清心幼稚
みんなのうた』(大中恩曲)です。同じく、児童合唱組曲子供の情景』(山本直純
曲)所収の『ともだちポルカ』は元は味の素のコマーシャルソングであったものを改稿
したものです。」
 群馬県の清心幼稚園で歌われる歌ということですが、これはいわゆる校歌のような
ものではないのでしょう。こどもたちがふだんの生活のなかで歌う歌をつくるという
ことからは、特定の幼稚園だけを想定した詩ではないというのが、ここに収録されて
いることにつながっているようです。大中恩作曲ですから、どのようなものになって
いるのか、園のこどもたちが歌っているものを聞いてみたく思いました。
 味の素のコマーシャルソングであったものを改稿した「ともだちポルカ」についても、
これの元がどのように広告に使われたのかと、首をひねってしまいます。
どちらの作品も、依頼に応じて作ったのではありますが、それなりに他の作品と同じく
苦しみながら作り出したものでしょう。そう考えますと、除外された作品というのは、
もったいないことであります。
「この全詩集には、一〇八七篇(除外した校歌・社歌や未完を含む全作品は約一四〇〇
作)の作品が収められています。これが、著者阪田寛夫の詩の世界です。全国に散在
する全ての阪田ファンの人々に心をこめて本書を贈ります。」