小沢信男著作 5

 78年に刊行された「犯罪ルポ」は、次のものとなります。

「犯罪専科」 78年7月刊 東邦出版社
 この本の小沢さんあとがきには、次のようにあります。
「本書の成立は、私として、おもいがけないよろこびであります。というのは、
三一新書版の『犯罪の主役たち』と『悪女』がともに夙に絶版になり、入手
困難になっていました。それを東邦出版社で、あらためて一冊にしてくださる
という。ありがたい。そこで亮著からテーマの多様性を考えて七篇を選びだし、
かつ新たに、エッセイ二篇を加えました。字句の修正をほどこし、これをもって
定稿とします。・・読み返して、いまさら、ようやく拙文に自信をもちます。
これらを私は懸命に書いた。本書は、ひとつの時代の集中的な記録になりえて
いるだろう。
そこで題して『犯罪専科』」
 これに収録の作品
・ 女子高生誘拐事件  (「犯罪の主役たち」)  
・ 混血少年連続殺人事件(「犯罪の主役たち」) 
・ 外交官令嬢焼殺事件 (「悪女」)
・ 未亡人のツバメ殺し (「悪女」)
・ 鬼夫婦幼女殺し   (「悪女」)
・ 神田錦町心中  (「犯罪の主役たち」) 
・ フーテンマコの短い華麗な生涯 (「犯罪の主役たち」) 

 エッセイは二篇となっていますが、初出では四編となります。
   *
・ 現代犯科帳
   即席ラーメンの味 (「展望」1971年3月号 )
   裸の王様   (「展望」1971年6月号 )
   ああ、団地  (「母の友」1977年12月号 )
・ なぜ「犯罪人」を描くか (「思想の科学」1976年9月号 )