ジャケ買い 4

 長友啓典さんの「装丁問答」は、朝日新聞社からの「一冊の本」に連載された
ものが中心と記しましたが、これは冒頭におかれたものだけでありまして、ほかは
「あとん」という雑誌と「朝日新聞」に掲載のものでした。
 「あとん」という雑誌のことは聞いたことがありませんでしたので、検索を
かけましたら、それに定期で寄稿していた人のブログがありましたが、もともとは
どのような雑誌であったのでしょうか。12000部ほどの部数であったとあります。
そう思ってさらにみていましたら、京都三月書房のページに姿を消した出版社に
ついてのページがあって、そこに「あとん」とその版元である「アートン」への
言及がありました。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/sangatu/hanbai-sokuhou/backnos91/098.htm

「装丁問答」を見て、一番感じたのは、昨日も記しましたが若い作家の作品等にも
目配りをしていることでありまして、若いデザイナーの仕事に注目をしていまし
たら、そのデザイナーが装丁している未知の作家のものを読んでいたということに
なるのでしょう。
「あとん」05年2月号にあるくだりです。
「最近の本屋さんで見る傾向は、当たり前だが装丁者・ブックデザイナーの人達が
若くなった。作家の人達も若くなった。昨年の芥川賞受賞作家、綿矢りさ、金原
ひとみは世間を騒がせた。これらの装丁は瑞々しく、いかにも若者らしい。」
 このような文章とか、昨年の収穫にあげられていたせいでしょうか、当方としては
珍しく若い作家の作品を買うことになりました。この作品の装丁は祖父江慎さんで
ありますが、いまは大御所の雰囲気のある祖父江さんも、当方にはあまりなじみの
ないデザイナーさんであります。
 この一冊は、次のものであります。

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