日曜読書欄 4

 毎日新聞読書欄の「この3冊」という特集を見ております。書評をしている方で、
どのような方なのかよくわかっていない人もいるのですが、以外な組み合わせの
3冊をあげていますと、このかたはどのような読書をされているのかと思ってしまい
ます。
 このところ、時間的な余裕がなくなるにしたがって読書の幅がせまくなりまして、
新しい書き手との遭遇がほとんどなくなっています。これじゃいかんと思いつつも、
最近の若い作家は縁遠くなるばかりです。
 そういえば、今年に直木賞をうけた中島京子さんは、ちょっと気になったりします。
彼女は両親が仏文学者で、小説家になることを大反対されたとありました。そうか
あの中島さんの娘さんか、父親の翻訳書で未読のものがあるので、それでも読んでみ
ようかなというのが、当方の反応です。
 組み合わせで、面白いなと思ったのは、次のかたのもの。
 木村凌二 (東大教授 西洋史 )
  ・ ユダヤ人の起源   シュロモー・サンド 
  ・ フランス史     ミシュレ
  ・ 勝手にふるえてろ  綿矢りさ

勝手にふるえてろ

勝手にふるえてろ

 専門の西洋史の著作に続いて、綿矢りさの作品です。ほとんど若い人への受け狙いの
ような選書ですが、綿矢さんの作品については、つぎのようにコメントありです。
「二人の男性の間でお年頃の女性の心がゆれる。ありふれた話だが、女性の胸中が
微妙に変化する様には、おじさんが読んでもハラハラするものがある。
さながら心理推理小説を読んでいる気にさせるのだ。これは新しいジャンルなのだろう
か。さりげなくして巧妙な比喩の説得力に勝手にふるえそうだった。」
 ふだんの大学の講義でもこのようなのりでやっているのでしょうか。
 ミシュレ綿矢りさか。考えてもみなかったことであります。