本とコンピュータ 2

 今年に初めて耳にした言葉に「自炊」というものがあります。単身赴任の
お父さんが、仕事場からアパートに戻って、炊飯器でお米を炊くという話しでは
ありません。いつ、誰がつかうようになったものでしょうか。自炊という言葉に
ではなく、その行為になじめないせいもあって、当方にとって、今年一番の不快
用語であるかもしれません。
 どうすれば、本を軽くすることができるかということでは、たしか植草甚一さん
は、買ってきた本の必要なところだけ、びりびりと切り取ってしまって、そうした
きりとった部分だけをまとめて本(雑誌であったかもしれません。)を軽くして
いたという話を読んだことがあります。本をいじめて軽くするということからは、
植草甚一さんの手法と、自炊派の手法のどこが違うのでしょう。
 植草さんは、印刷されたものをそのまま読み、自炊派は、スキャナーで読みこん
だものをディスプレイで読むという違いです。プリントされたものを読むほうが
偉いというわけではありません。
 植草甚一さんの「どうやって整理をしたらいいのやら」という文章には、「何か
仕事で必要なとき、一冊の本が見つからなくて、大騒ぎして、時には一晩中かかって
さがすこともあります。そういうことがたびたびになりますと、もう面倒になって
きて、見つかった本だけで仕事をすませちゃうような、ずるい考えもでてくるわけ
ですよ。これはいけませんね。」とあります。
 当方のように、たかだか数千冊(?)くらいの本であっても置き場所に困ってしま
い、段ボール箱にいれたまま、押し入れなどに押し込んであり、背表紙が見える状態に
あるのは、全体のごく一部となります。このブログでも、あの本は参考になるの
だけど、どこにあったろうかと捜索するのは、いつものことでありまして。あの時間
はなんとかならないかと思っています。