堀田善衛さんの「スペイン430日」(ちくま文庫版)に、佐伯泰英さんがはじめて
登場するところは、昨日に引用しましたが、それについで登場したのは、佐伯さんが
東京に戻っているときでした。
佐伯さんが再びスペインに登場するのは、78年4月のことです。
「 78年4月17日 マドリードから電話、カメラのS君が明朝グラナダへ汽車で着く
由。・・
78年4月18日 朝9時半頃に、S君到着。これからしばらく下宿人を一人抱える
ことになる。フラッシュ内蔵のカメラをもって来てくれる。素晴らしい出来栄の
ものである。
78年4月20日 S君の運転でシェラ・ネバダへ行く。2250メートル標高の
パラドールまでで、それから先は見上げるばかりの雪の壁で行けない。パラドール
で朝食下ってヘニール川の源流を求めて、山間の素朴な村々をまわる。」
これからしばらくは、S君は堀田家の居候兼運転手役をつとめることになります。