ストリートワイズ5

 本日の朝日新聞「おやじのせなか」というコラムは坪内祐三さんが登場です。
昨日の拙ブログに、デビュー論集の「ストリートワイズ」には、その後の著作の
ほとんどすべてが含まれていると書きましたが、あえてないといえば、彼が
専攻した「アメリカ文学」に関するものでしょうか。大学院での卒業論文
ジョージ・スタイナー」についてであったとのことです。
 本日の「おやじのせなか」には、「僕が大学院に進んだ時は、『学者になる』と
人に話していたそうです。企業に入るなら、自分のコネと思われかねない。
研究者なら実力だとうれしかったようです。」とあります。
大学院時代には、当然のように研究者への道に進む事を考えていたのでしょうが、
なぜか、それは実現しなかったのでありますね。
「切手集め、プロレス観戦、古本屋めぐり・・・こども時代の楽しみはすべて勝手に
やっていた。父も許してくれたし。」
 父は許してくれたけども、指導の教授は許してくれない楽しみばかりであるのかも
しれません。これから研究者を目指すならすこし専門に特化しなくてはと、普通の
指導教授ならいいそうなことであります。それに反発をしたら、大学に残ることは
ほとんど不可能ですからね。
 本日の「おやじのせなか」の結語は、次のものです。
「 評論のなかで、自分の嫌いという感情を押しつけようとは思いません。
だいたい、好きなもののことを書いているだけでハッピーじゃないですか。
好きなものだけ、それも父の影響か。」
 基本的に好きなものだけをやすというのは、アマチュアの領域でありますが、
一番好きなことを職業にするというのは、口でハッピーというほどハッピーでは
ないように思いますが、さて、本当のところはどうであったのでしょうか。