好きな道で生きる

 趣味は仕事にしないほうがいいといわれるところですが、好きなことで

日々の生活が成り立てば、どんなにいいかと思いますでしょう。

その昔にいらした方は、一番好きなのは音楽でそれもピアノ演奏、次が数学

で、結局は一番好きなものでは生活ができそうもないので、数学教師になっ

たと書いていました。その方は、高校教師を退職し、退職金で夢であった

スタインウェイのグランドピアノを買ったとありました。うんと時間をかけ

てそういう夢を実現するというのもありでしょう。

 日本の学校教育では、とりあえず勉強ができれば、偏差値の高いというか

社会的に認められる学校にはいるのが一番という傾向がありまして、学校の

偏差値が高いということと、人としての幸せが結びつくわけではないという

のは、かなり年をとって感じることでありましょう。

 小生がひいきにしているBiSHのモモコグミカンパニーさんは、ずっと偏差

値を競う学校生活を送っていて、そこからアイドル(?)といわれる活動に

入って、はじめて自分の進む道が見つかったとのことです。偏差値一番の世

界では、彼女のようなスタイルの売れないアイドルというのは、落ちこぼれ

にしか見えなかったでしょうね。

 昨日の朝日新聞朝刊には、浪曲師 玉川奈々福さんが「おやじのせなか」

という欄(教育に関する)に登場です。

 玉川さんも不思議な転身をしたお一人であります。

「私は受験をして、中高一貫の私立校に入りました。部活で演劇の魅力にと

りつかれ、芝居の道に進みたかったのですが、『教育は誰も奪うことができ

ない』と両親から説得されて、大学に進みました。」

 玉川さんは大学をでてから筑摩書房の編集者となって、それこそキャリア

ウーマンのようでありましたが、編集者となって数年後に「一生の習い事を」

ということで三味線教室に通い始め、それに取り憑かれて浪曲の三味線を担当

する曲師さんとなって、さらに転身して浪曲師となったのであります。

 その昔に、編集者が浪曲師となったと聞いて、まあなんという物好きであり

ましょうと思ったのですが、いまは日本の浪曲界をしょってたつ存在となって

います。

 ほんと何がいいのかはわからないことでありまして、たまたま奈々福さんは

成功したのかですが、もちろんものすごい努力があってのことでしょう。

 本日は、若くて才能のある女性ミュージシャンが亡くなったことが報じられ

ました。つい最近のTV放送(関ジャム)に出演していていて、コメントを寄せ

ていたほか、「VIVA LA ROCK」というイベントで亀田誠治さん、スカパラ

加藤さん、ピエール中野さんとともにバンドをやっていて、押しもオサレもせ

ぬ存在でありまして、なんとももったいないことであります。

 好きな道で生きるためには、回り道も含めていろんな戦術があると思うので

すが、あまりにも皆さん、ストレート過ぎるのかな。