一枚の絵株式会社

 昨日に、取り上げました「渡辺一夫装幀・画戯集成」という本の版元は、一枚の絵と
いう会社になります。一枚の絵という会社は、いまでもあるのかなと思って、検索を
かけたところ、現在も「一枚の絵」という雑誌をだしていて、それを通じて絵画の販売を
していることがわかりました。このほかネットでの絵画販売もしているようですが、
それにしてもなぜ、渡辺一夫さんの装幀集は、「一枚の絵株式会社」からでたのでしょう
か。
 普通でありましたら、白水社筑摩書房というところがお似合いでありますが、この本
の編集代表をつとめた串田孫一さんが、ここにも出版をもちかけているとしか思えません
ので、そうなると断られて、結局、企画を受け入れたのが「一枚の絵株式会社」しか
なかったということでしょうか。
 この本の奥付には企画編集「疋田寛吉」とありますので、この人がキーマンのようで
あります。この奥付には、発行者として竹田厳道という、当時の一枚の絵の代表者の名前
もあって、この人のことをいささかうさんくさく感じている小生は、本当に不思議な気分
になるのでした。