筑摩書房についての本 6

 柏原成光さんが資料としてあげているものの、最後の一冊は永江朗さんが記した
筑摩書房 それからの四十年 1970ー2010」でありました。

筑摩書房 それからの四十年 1970-2010 (筑摩選書)

筑摩書房 それからの四十年 1970-2010 (筑摩選書)

 それからの四十年とありますのは、和田芳恵さんの社史が1970年刊行でありますこと
から、それを受けてのものであるということをあらわしています。
最近のほとんどの方にとっては、筑摩書房というよりもちくま書房でありまして、数日
前に届きました「ちくま」4月号を見ましたら、ちくま文庫が創刊30周年となるとあり
ました。
 当方が筑摩書房になじんだのは、昭和41年に高校にはいって「現代国語」の教科書が
筑摩のものであったことによります。小中高で使った教科書は、ほぼすべて手元に残っ
ていないのですが、例外的に筑摩「現代国語」だけは三年間使った三冊が保管されて
います。 ( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20100110 から一ヶ月ちかくもこれ
を話題としています。)
 知らず知らずのうちに臼井吉見編集長に大きな影響を受けていることがわかります。
その後は、岩波の「世界」ではなく、筑摩「展望」を手にするようになります。
岩波書店は立派すぎるというか、えらそうであるということを感じたのでしょうか。
筑摩は京都系の先生のものにはえらい先生の個人全集がありましたが、東大の偉い先生
の個人全集はほとんどないというか、筑摩は格下の版元と思われていたのでしょう。
大江健三郎さんは岩波で、その先生の渡辺一夫は筑摩という感じでありましょうか。
 そういう意味では、会社更生という会社破綻をして、それを克服したことが筑摩書房
の強みとなっているようです。
 そういえば、一番新しい筑摩書房についての本が、現在着々と進行中であります。
その様子は、林哲夫さんのブログ「sumus2013」にアップされています。予定よりも
すこし遅れて四月刊行となりそうですが、筑摩書房を装幀から論じようというこれまで
にない意欲的な取り組みとなります。
 林哲夫さんの以下のブログページをご覧ください。
http://sumus2013.exblog.jp/23603595/
http://sumus2013.exblog.jp/23692855/
http://sumus2013.exblog.jp/23824259/