小沢書店「poetica」のこと

 最近の出版社はかってPR誌で展開していたことを、WEBページへと移行させて、
いるようです。老舗といわれる出版社は、読者層の年齢が高いせいかWEBへn移行が
おくれているようですが、冊子を編集して、郵送でおくるというのは手間ばかりが
かかって敬遠されるのかもしれません。しかし、幻冬舎のようなところであっても、
印刷とWEBの両方でPR媒体をもっているのですから、出版社というのは、どこまでも
紙メディアにこだわらなくてはいけないのかもしれません。
 しかし、最近のPR誌というのは、各社にとっては、単行本につなげる連載の
受け皿のようになっていて、あまり連載物が多くなっては気楽に読めないという
声を聞いたことがありました。
 読み切りのようなものでPR誌を編集するというのは、原稿の依頼も含めて手間が
かかりますので、連載もののページが増えるのは仕方がないのか。
 そういうこともあって小沢書店の「poetica」のことが思い出されるのでした。
これの創刊号は91年9月でありますので、ずいぶんと古いことになります。
創刊号の編集あとがきには、(H)というイニシャル(長谷川郁夫さんでしょう。)で
つぎのようなことが書かれています。
poetica創刊号をお届けします。小社は今年創業20周年を迎えましたが、PR誌は
 発行はながい間の夢でした。文芸書出版の困難な時代にあって、今こそ、著者と
 読者、また書店との交流を育む濃密な空間が必要とされます。ご覧のような小冊子
 ですが、この場所を大切に守り、一層充実したものとするよう努力を重ねてゆく
 つもりです。
  編集にあたっては、毎号特集形式をとります。創刊号は小川国夫氏を特集しました。
 氏は、創業以来の小社の出版活動への大きな理解者のひとりとして、私どもの精神的な
 支えです。」