「探偵!ナイトスクープ」2

 大阪朝日放送が関西エリア向けに、それなりに力をいれて作っていた番組が
ローカル向けの番組というのはためらわれますが、「探偵!ナイトスクープ」の
ごく初期の放送は、ほとんど他局でのネットがなかったと思われますので、
その意味ではまったくのローカル番組でありました。
 最近ローカルの星としてけっこうな人気者になっている大泉洋さんが、
水曜どうでしょう」という番組に出始めのころは、まだ大学生で、
ほとんど素人にしか見えませんでしたので、同じに番組の初期のころと
いっても、ナイトスクープが視聴率をあげて行く過程と、「水曜どうでしょう」と
大泉さんが全国的に売れていくときでは、ファンが応援しようとする心理には
すこし温度差があるようにも思えます。( なんといっても、朝日放送には、
ローカル番組という意識はないでしょうから。)
 それでも、「ナイトスクープ」はばりばりのプロの作品集でありまして、
この「ポプラ文庫」で、松本さんが以下のように書くのは、理解ができるのでした。
「テレビは、映画や演劇よりも、世間から低くみられがちである。そして、
テレビバラエティは同じテレビのなかでも、ニュースやドキュメンタリー、教養
ドラマなどと較べて、二段も三段も低いものに、みらえがちである。しかしながら、
こうした私たちの表現分野でも、じつは出演者もスタッフも、みんな志を高め
あって、必死になって戦って、番組作りに励んでいる。世間に知られることの
ない、そんなものづくりの群像をNHKの番組とはまた異なって、当事者としての
もっとリアルは視点から、私はありのまま描いてみようと思いたった。」
 途中からは、「探偵ナイト」のライバル番組は、「プロジェクトX」であり
ましたか。