本日は「山猫忌」

 まだまだ、世間的には認知されてはいないのですが、本日は「山猫忌」で
あります。「山猫忌」というのは、長谷川四郎さんの命日に、長谷川さんを
を追悼する日でありまして、小生が個人的に名付けているものでありますが、
ほとんど話題になっていないのです。
 長谷川四郎さんの著作には「山猫通信」というのがありますし、亡くなって
から刊行された本のタイトルは「山猫の遺言」ですから、長谷川さんの命日の
ことを「山猫忌」といっても、まったくおかしくないでしょう。
長谷川さんのことを追悼する集まりが、命日の近くにあってもいいのにと
思うのですが、こればかりはどうしようもありません。
せめて、ネットの世界で同好の皆さんと「山猫忌」を展開することといたしま
しょう。
 長谷川四郎全集は晶文社から長谷川さんの生前に刊行されましたが、その
後も作品は書かれて、発表されたのでした。亡くなってから、単行本未収録の
文章をまとめたのが「山猫の遺言」となります。
この編集作業も、全集の編集を担当した「福島紀幸」さんと晶文社の秋吉さんに
よってなされました。この本のあとがきは、福島さんにより、タイトルは
「長谷川さんの最後の仕事」となります。

「 長谷川四郎さんが亡くなってから間もなく1年になる。早いものだ、
 早いものだ。
  1987年4月19日、長谷川さんは都立松沢病院で息をひきとった。
 77年間の生涯だった。詩人、小説化、劇作家、批評家、翻訳家として
 活動し、おびただしい仕事を遺した。
  生身の長谷川さんはもういない。けれども、長谷川さんは遺された仕事の
 なかに生きている。その仕事は、翻訳を除いて『長谷川四郎全集』全16巻に
 まとめられている。しかし、全集に収められているのは、1975年までの
 仕事で、それ以後の仕事は収められていない。・・・
  そこで、全集以後の 全仕事をまとめた本をつくって一周忌の霊前に捧げ
 よう、ということになってできたのが、この『山猫の遺言』である。
   
    死んで君は埋められたが 
     仕事はそのにまだ残ってて
      これからそれが立ちあがる。       」