一日にしてならず

 本日は図書館本の入れ替えをすることにです。新刊書のところに何か軽い

読み物でもないかなと思ってチェックしたのですが、日本の小説のところは、

ほとんど本が出払っていまして、三冊くらいしかありません。そのうちの1冊は

誰も借りる人がいないのか、いつも残っています。気の毒なので借り出しし

ようかなと思うのですが、この本は購入していますので、借りなくてもいいか

な。しかし、誰も借りる人がいないと、次からはこの方の作品は入ってこなく

なりゃしないかです。

 借りてきたのは、今年に刊行となったみすず書房の本。こんな本がでてい

たのかです。

 この本のあとがきに、この本の成り立ちが書かれていますが、これは研究会

の中間報告とのことですが、その研究会は、「日本における保守化・右傾化・反

知性主義化の構造」を探るものなのだそうです。

「主として日本の政治の保守化、右傾化、反知性主義化がなぜ起こったのかと

いうところにあったが、次第に政治面だけでなく社会のあらゆる局面での『劣化』

『自壊』とも呼ぶべき現象が顕著になってきていることに注目せざるを得なくなり、

研究会におけるテーマとしても学際的でより広い領域での問題を取り上げること

になった。」

 学際的でありますので、政治、経済、教育、マスコミ学など多岐にわたっていま

す。それぞれについての研究はありますが、このように1冊のなかにまとめられて

いて、一般読者にも読みやすいのはありがたいことです。

 それにしても、いつからこのようなことになったのかなと思うのですが、政治で

いきますと、その昔の自民党青嵐会グループは、極右というレッテルでありま

したが、最近の自民党にかのグループを据えたら、真ん中からちょっと右くらい

の感じでありまして、これをなんの不思議にも思わないのは、それこそやばい話

となります。

 こうした何も疑問に感じない国民を作っていくために、これまでの政権党は

教育を充実させてきたのでありまして、これは大いなる教育の勝利でありますね。

一日にしてならずでありまして、これを危惧する声はずっと前からあがっていた

のですが、それは負けてしまったのですね。

 それにしても、文部大臣経験者が、今回の資金のキックバックで名前があがっ

ているのですが、経済政策とか財政にはタッチさせないが、文部は好きにしていい

し、彼らのねらいもそこにあったので、これでは国が沈んでもしょうがないかなです。

 若い人たちは、この国の将来に希望を持てているのでしょうかね。