図書館から借りている本の書き手は、ほとんど女性となっている今日、この頃
であります。
皆川博子さん、くぼたのぞみさん、山尾悠子さん、温又柔さん、そして赤染晶
子さんというラインナップでありまして、これに手持ちの絲山秋子さん、李良枝
さんなどが加わるのでありますので、なかなかすごいラインナップなことです。
背表紙をながめて終えるのではなく、すこしはなかも読まなくてはです。
本日は図書館本の入れ替えということで、すこし男性が書いた本も借りなくて
はと棚をチェックすることです。
ということで、本日は男性による著作を借りることになりました。
岩波新書の一冊です。以前でありましたら、間違いなしで購入したでありましょ
うが、今は購入を制限しているのと、行きつけの本屋には岩波新書が入荷しないの
で、チェックできていないということが、図書館から借りる背景ですね。
高宮さんによるこの本をのぞいていましたら、G・スタイナーのことがでてきま
したので、まずはそこを読んでみることにです。
「閨秀作家A・S・バイアットがいみじくも『遅れに遅れてやってきたルネサンス
的知性』とまで呼んだ人物である。ポリグロットで博覧強記の作家、哲学者、文芸
評論家、比較文学者という多くの顔を持っていた。
1974年4月、この国際人は、慶應義塾大学が主催する連続セミナーに招聘さ
れて来日した。」
高宮さんは慶應義塾の先生でありまして、英国に留学していた時には、大学図書
館でスタイナーとあいさつをかわす機会があったと記してますので、このスタイ
ナーの来日に関しても大きな役割を担ったのでありましょう。
この来日の記録は、慶応義塾からまとめられたのですが、当方はそれは未見で
あります。有名なのは「世界」に掲載された加藤周一さんとの対談でありますが、
高宮さんは、「激しい論争に発展する場面もあった」と触れているだけでありま
す。
当方の世代は、山口昌男、由良君美さんを通してスタイナーを知ることになった
のだよなと思うことです。