本日は予習を

 昨日に図書館から借りてきた細見和之さんの「『投壜通信』の詩人たち」を読むた
めの予習として、2005年に細見さんがだした「ポップミュージックで社会科」を手に
しておりました。

理想の教室 ポップミュージックで社会科

理想の教室 ポップミュージックで社会科

 みすず書房から「教えるー学ぶ」ための新シリーズ「理想の教室」の一冊でありま
す。高校生が読んでわかりやすいとありますので、みすずとしては珍しい出版物のよ
うに思います。このシリーズがどのくらい続いたのか、わかっておりませんが、当方
が持っているのは、この一冊のみです。
 この本のまえがきで、細見さんは次のように書いています。
「本書は、シリーズ『理想の教室』の主旨にのっとって、私が疑似授業として書き下
ろしたものですが、ここに書いた内容の多くは、私自身自分の職場であった大阪府
大学において、繰り返し講義してきたものにもとづいています。
 くわえて、2004年11月20日に、京都の柊小学校の保護者を対象とした『家庭教育学
級』における講演として、ここに記した内容に近いものを話す機会を、私は実際にも
つことができました。」
 まえがきの冒頭の部分を一部省略して引用しましたが、小学校の保護者にむけての
講演などの再現とあります。保護者といったら、ほとんどは母親たちでありましょう
から、わかりやすくなければ、そっぽをむかれますでしょう。
 この本で最初に取り上げられる「ポップミュージック」が「ドナドナ」という曲で
すが、その昔は子どもでも知っていた、この曲がじつはユダヤ系の人々の中から生ま
れたもので、それをジョーン・バエズフォークソングの切り口で歌って、有名に
なったとありました。
 ありがたいことにイディッシュ語で歌われている元歌「donna donna」の動画があ
りました。まだ学生であった細見さんは、子どもの頃に聞いていたいた「ドナドナ」
とは違うイディッシュ語の歌の印象に驚き、その曲の作詞者と書かれていた詩人の
「イツハク・カツェネルソン」という人物に関心を抱くことになるのです。(その
後に、「イツハク・カツェネルソン」さんの作詞ではないとわかるのですが。)

 この元歌にジョーン・バエズさんが歌っている歌詞は忠実になっているとのこと
です。

 日本で子ども向けに紹介されたのは、ずいぶんと違ったイメージとなっています。