筑摩書房についての本 4

 柏原成光さんが参考にしたものとしてあげているものに、次のものがあります。

本とわたしと筑摩書房

本とわたしと筑摩書房

 この本はでてまもなくに購入して、話題としたことがあります。
( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20090719  )
 柏原さんが筑摩書房に入社したのは1964年ですから、創業してから24年ほどたって
いるのですが、「現代日本文学全集」が売れてやっと経営が安定した頃となります。
 この前著で、柏原さんは筑摩書房にはいるまでのことを、次のように記しています。
「1964年、まだ寒さの残る頃、私は初めて神田小川町二丁目八番地にある筑摩書房を訪
ねた。この三月に卒業予定の私は筑摩書房の入社試験を受けて、かろうじてその筆記試
験に受かったのである。かろうじてというのは、それまでに岩波書店文藝春秋、新潮
社を始め、朝日新聞社など、十社近いマスコミ関係の入社試験を受けたのだが、こと
ごとく落ちていたからである。文藝春秋の入社試験では、大学のキャンパスでときどき
みかけていた、今日日本のオピニオンリーダーの一人として名高い立花隆氏と一緒で
あった。もちろん立花氏は合格であった。
 ここを落ちたら就職浪人だという段階で受けたのが筑摩書房で、・・・私が受けた会
社のなかでは筑摩書房はもっとも小さい会社だったが、・・新聞広告も出している会社
だから、それなりに大きな会社だろうと思っていた。」
 この後には、筑摩書房の社屋をめざしていったのだが、その前を通りすぎてしまう
ほど、界隈で最も古い建物が筑摩書房だったと続くのであります。
 柏原さんが入社した翌年には古田さんは、社長を竹之内さんに譲って会長となるので
すから、普通の会社でありましたら、会長と新入社員には、ほとんど接点はありません
でしょう。