今年は、乙未(きのとひつじ)とのことです。1955(昭和30)年生まれの人が還暦を
迎えることになります。未年といって思い浮かべますのは、「羊の歌」でありますね。
未年になったら、加藤周一さんの文章を読もうと思っていたのですが、あまり具体化
せずに、本日を迎えました。
昨日にブックオフに立ち寄りましたら、思いのほか美しい「羊の歌」(生・続)が
108円で販売されていました。これは、買わないわけにはいきませんです。
- 作者: 加藤周一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1968/08/20
- メディア: 新書
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- 作者: 加藤周一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1968/09/20
- メディア: 新書
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ますが、ちょうどこれが新刊ででたとき、当方は田舎の高校生でありましたが、なぜ
か購入をしています。それからすでに50年近い歳月が経過であります。
今にいたるまで「羊の歌」は岩波新書の青版でありまして、これ以外の版というの
は、次のものしか思いあたりません。
- 作者: 加藤周一
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1979/09/20
- メディア: 単行本
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宗教は神仏のいずれも信ぜず、天下の政事については、みずから青雲の志をいだかず、
道徳的価値については、相対主義をとる。人種的偏見はほどんどない。こういう日本人
が成り立ったのは、どういう条件のもとにおいてであったか。私は例を私自身にとって、
そのことを語ろうとした。
題して『羊の歌』というのは、羊の年に生まれたからであり、またおだやかな性質の
羊に通うところなくもないと思われたからである。」(「羊の歌」あとがきから)
これを書いていたときの加藤周一さんは、50歳になる前後の時期でありました。
「人種的偏見はほとんどない」と書いているということは、なにかの具合であるかも
しれないということでしょうか。「宗教は神仏のいずれも信じず」というところは、
亡くなる間際に加藤さんがキリスト教に帰依したと聞きますと、若い時には、あまり
断定的なことはいわないほうがよろしいかと思うことであります。