チャトウィン元年 6

 チャトウィンさんは、アフリカのベナンでクーデターがおきた当日に滞在していて、
外国から侵攻してきた傭兵の一味と疑われて拘束されることになるのですが、あわや
殺害されるのではということになるところで、拘束をとかれることになります。
 この拘束のときに、先日に耳にした国家主席の「ベナンの人民諸君、容易ならざる
事態が発生した。今朝七時、未確認のDC8型ジェット機コトヌー国際空港に着陸した」
というラジオ放送は、その前日に録音されたものであるということを知ります。???
ですが、これが当時のベナンでありましょう。
 どうしてチャトウィンさんは、このベナンを訪ねたかというと、「執筆中のブラジル
人奴隷商人」についての取材でありました。かってはナイジェリアであったベナンは、
その昔、新大陸に送られた黒人奴隷のルーツでもあるのですね。60年代後半には、
ナイジェリアから分離独立して「ビアフラ共和国」ができたことも思いだされました。
 この本には、「ブラジル人奴隷商人」である「ドン・フランシスコ・フェリックス・
デ・ソウザ」にかかわる文章がありまして、それは「ヴェルナー・ヘルツオーク・
イン・ガーナ」というタイトルになっています。
 この時に取材したものは、「ウィダの総督」という小説になっているのですが、その
作品が映画化された時のことが、ここでは記されています。
監督はヴェルナー・ヘルツオークで、主演はクラウス・キンスキーだそうです。

ウィダの総督 (シリーズ精神とランドスケープ)

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