みすずの本棚 3

 「みすずの本棚」には、近刊のお知らせものっています。
 5・6月の刊行予定からのなかに、ブルース・チャトウィンのものがありました。
昨年にチャトウィンの小説「黒ヶ丘の上で」を刊行したみすず書房でありまして、期待
するとことが大であります。

黒ヶ丘の上で

黒ヶ丘の上で

 チャトウィンと同年生まれの池内紀さんは、「ウッツ男爵」の訳者あとがきに
チャトウィンが甦る。新しい本としてもどってくる。訳者にとって、これ以上のよろ
こびはない。生年が同じということもあって、ブルース・チャトウィンは私には、
『そのすべてを知りたい』現代作家の一人だった。」と記しています。
 チャトウィンは作家デビューが遅く、しかも若くして亡くなったことから作品数が
少ないので、発表されたものを揃えるというのは、そんなに難しくないのかもしれませ
ん。とはいっても、日本語への翻訳がされていなかったり、翻訳がされていても版元が
小さくて店頭で目にすることができない状態が続いています。
 このような時に、白水社が「ウッツ男爵」を復刊し、みすずが「黒ヶ丘の上で」を
刊行したのに続いて、「ウィダーの副王」を新訳で刊行することとなりです。
これまで「ウィダの総督」としてでているものですが、これで入手しやすくなります
でしょう。
 数ヶ月前とくらべるとチャトウィンの翻訳の古書価があがっているように感じまる。
あまり話題にならないほうが入手は容易になるということでしょうか。