今年の一冊目 3

 今年最初に書店で購入したもの一冊目の3は、次のものです。

「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫)

「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫)

 当方は、特に鉄道愛好家ではありませんが、列車にのって移動するのは好きで
あります。昨年の一番印象に残っているイベントは、トワイライトエキスプレスに
のって旅行したことでした。時間と気持ちの余裕がありましたら、飛行機よりも
列車が、それよりも船の旅が楽しいのかもしれません。
 最近のテレビ欄を見ておりましたら、地上波とBSデジタルで、一日にいくつか
列車の旅のような番組がありますので、旅とりわけ飛行機や車ではない旅は、
人気があるのでしょう。
 そういえば、先月に手にしていたのは森まゆみさんの「女三人のシベリア鉄道」と
いうものでありましたが、これなども列車の旅が好きでなくてはかけないもので
あります。
女三人のシベリア鉄道

女三人のシベリア鉄道

 原武志さんの著作は文章が読みやすいのがありがたいです。このようにわかりやすい
のは、新聞記者をしていたからでしょうか。
 この作品は、NHK 知る楽という番組のテキストがもとになっているとのことです
が、NHK教育で、このような特集をしていたということをまったく知っておりません。
いま頃になって見たかったと思っております。
 取り急ぎで読んで見たのは、これの第四章「西の阪急 東の東急」ですが、西の
代表が小林一三、東の代表が五島慶太で、比較しています。
「このような梅田と渋谷のターミナルの違いにこそ、小林一三五島慶太、阪急と
東急の違いが最も鮮やかに現れているといえないだろうか。それを一言でいえば、
国鉄=『国鉄』に対立する阪急と、旧国鉄=『官』に依存するという違いである。」
 旧国鉄に依存する(おもねる姿勢ともいっています。)のは、関東の私鉄に多いと
もいっています。
 そういえば、かって画期的であるなと思った「スルッと関西」というプリペイド
カードでJRは仲間はずれでありましたが、関東の共通カード「スイカ」などは、
むしろJRが主導していると思えるほどでありまして、相互乗り入れへの姿勢と
共通しての料金支払いの仕組みに関東、関西の鉄道の違いは生きていると思われ
ます。