書肆ユリイカの本 

 大岡信さんの初期著作の版元としての晶文社について記していましたら、何度か
書肆ユリイカ」のことがでてきました。大岡信と同世代の詩人にとって「書肆
ユリイカ」は、初めての詩集をだした版元であるのでした。
書肆ユリイカの本」というのは、最近でた田中栞さんの書名でありますが、これと
同名になる田中栞さんのパンフレットが過去にでておりまして、これを入手した
ときに、拙ブログでも話題としたことがありました。
http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20071008
 当方が、このパンフレットを購入したのは、一昨年でありましたが、これが制作され
たのは平成16年11月から12月にかけて大阪アトリエ箱庭でありました「書肆ユリイカ
の本」展のためであったようです。
 このパンフレットを手にしただけでも驚いてしまいましたのに、それから5年たって
の今回の本には、またまた驚いてしまいました。

書肆ユリイカの本

書肆ユリイカの本

 古書収集は女性にはあまり縁がないのではないかと思いましたが、女性にもいろいろ
なものの収集家はいるのですから、それは偏見でありますね。どちらかというと収集と
文献探索の中間での作業のようにも感じました。
 それにしても、こんなに短期間で、このように集めるというのは並大抵のことでは
ありません。吉田健一本のコレクターである西村さんの時にも感じたことですが、
蒐集というのは、情熱を傾けて思い続けることが成果をあげるということがよくわかり
ました。
 ユリイカ本のことを知ったのは、当方のほうがずっと早いのでありますが、当方には
集めようという気概にかけるので、これでは集まってこないことです。