関西の出版社2 

 休みが続いたのを機に、押入にため込んでいた古い新聞の整理を行いました。
読書欄とか吉田秀和さんの「音楽展望」と著名人の訃報記事であります。
昔は、切り抜いてスクラップしていたのですが、近年は、まったくできて
いなくて、ページごと切り取って、たばねたままになっていました。
こんなにたまってしまうと、どうにもなりませんが、一番とっておきたいなと
思ったのは、訃報記事でありまして、捨ててもいいなと思ったのは、その後に
単行本に収載された文章であります。
 読書欄をみておりましたら、朝日新聞 01年11月18日付に「本職に聞く」
というコラムが目にはいりました。これには、見出しが「静かに着実に関西発」と
ありまして、編集工房ノア 代表 涸沢純平さんがとりあげられていました。
「 大阪・中津の商店が並ぶ一角、しもた屋風の家の一階。自社刊行本がうず
 たかく積まれた奥から、温顔が現れた。
  関西の文芸中心小さな出版社で「著者も、たぶん読者も地元の人」という。
 昨年刊行の山田稔著『北園町93番地 天野忠さんのこと」も、京都の作家に
 よる京都の詩人の肖像だ。・・・昨年創立25周年記念の集まりで鶴見俊輔氏は
 『ノアは天野忠の本を出すことで、千をこえる日本の出版社の中ではっきりした
 目鼻立ちを持つと評した。 
  経営は楽ではないが、無料のPR誌『海鳴り』の刊行を続け、詩集も含め
 月3冊ほどだす。『時流を追いかけなくてもいい、後衛でもいいじゃないかと
 思うんです。』・・・
  読者はすこしずつ全国に広がっている。」
  
 無署名の記事でありますので、どなたが書いたのかはわかりませんが、
今から7年ほど前の、認識はこのようなものでありました。
 それから、山田稔さんのものを読むなら編集工房ノアということに
なってはいますが、すこしは経営が楽になっていればよろしいのでありますが。