最近手にした本 4

 京都 祇園祭のことが話題になるころ湯川書房店主 湯川成一さんは亡くなりました。
拙ブログでは2008年7月14日のコメント欄に「仙台が親戚」様に訃報を書き込んでいた
だきました。これを機に湯川書房のことをいろいろと教えていただくことになり、
拙ブログにお立ち寄りいただく方のなかには、湯川書房関連の記事を目当ての方が多く
いらっしゃるようになりました。
 大阪の自宅を発行所としてはじまった湯川書房は、活動の拠点を京都へと移して晩年は
京都三条の、現在は「珈琲直」というお店となっている建物に陣取っていました。

 湯川書房 湯川成一さんの足跡を逆にたどるとすると、ふりだしとなるのは、このお店
でしょうか。ここから、その前の店があった御幸町通り夷川とか骨董と喫茶の「大吉」と
かへめぐるのでしょうか。
 『仙台が親戚」様によりますと、京都時代の一番の収穫は加藤静允さんとであったこと
であるとのことです。加藤静允(かとうきよのぶ)さんは、京都 修学院にお住まいの
小児科医師で、京都の町医者であるかたわら、陶芸とか書画の世界でも著名な方です。
( 小児科の町医者で、他の分野でも著名というと松田道雄さんをほうふつとさせま
す。)
 今回、縁があって加藤静允さんが湯川書房から刊行された「春夏秋冬帖」を手にする
ことができました。
 このほんの成り立ちについては、この本の「はじめに」に次のようにあります。
「ここにご覧いただく絵は洛中寺町二条・大吉さんの入口にある額のために描いたもので
す。月一枚時には二枚。本紙がタテ二十二、ヨコ二十九センチくらいの横長の画面で、
偶には縦長に画いてみたいなあと思うことも無かったわけではないのですが、ともかく
この方寸の中で楽しませてもらってきました。・・・
 この度、湯川書房主人湯川成一さんが、これらの中から面白そうなものを選び出して
一冊の画帖を作ってくださることになりました。」
 この本の発行日は、2000年11月とあります。