珍本古書 2

 保育社カラーブックスの「珍本古書」というのは、たいへん重宝なものですが、
このあと、このようなガイドブックというのは、でているのでしょうか。
 この本の前書きに、著者 高橋啓介さんは、次のように書いています。
「本書では、その美しい本を主体に、稀覯本、従って珍しい本を、でき得る限り
数多く紹介することを主眼として、古典から現在にいたる各種の珍本を集めて書影に
しました。カラーブックスの性質上、書影を主にし、解説を従にしましたが、その
解説も精粗区々となったのは書影の関係上やむを得ないことでありましたが、甚だ
残念に思っております。しかし、これだけの珍しい本を一冊の本に纏めて紹介する
ことは、今まではなかったし、またこれからも極めて困難なことであると思います。
古典籍、初版本あるいは発禁本などの範疇に属する珍本古書に比し、限定本により
多くの紙面をさき、限定本に偏しましたことは、資料の関係で思うにまかせなかった
ことであります。」
 この前書きだけでも、たいへん参考になることであります。
 「珍本」ということでノンジャンルとなると収拾ががつかなくなりそうでありますが、
「美しい本」ということになりますと、自ずとたががはまることになります。
古典籍となりますと、これはまた文化財の世界にはいっていきますので、投じる
資金も桁がいくつかことなりそうであります。
 古典籍に関する書影については、「一点を除きすべて弘文莊待か古書目第50号」
から書影を借りたとありますので、これについては、また違った世界でありましょう。
 限られたスペースのなかでできるだけ多くの書影を掲載して、コメントを少なく
するというのも、もうすこしこの本についてのコメントは欲しいとは思うものの
納得がいくことであります。
 これに掲載されている書影のすべてが高橋啓介さんの所蔵になるものではないと
思うのですが、所蔵がどなたであるのかはもちろん具体的に記されておりません。
取材協力として、次の方々の名前がありますので、この方たちも大コレクターで
あるのでしょうか。(小生は、名前を拝見しても知るところはなしでありました。)
「 取材協力 今村秀太郎   小林庸晃  斎藤孝夫  西田秀夫  弘文莊 」
弘文莊は、もちろん反町茂雄さんのことでありますが、ほかの方々はどのような
人であったのでしょう。